子犬が耳を痒がる原因と正しいケア方法】真菌・外部寄生虫・耳毛処理・薬剤まで完全ガイド

子犬が耳をしきりに掻いたり、頭を振るようなしぐさを見せたら要注意。耳の中に何らかのトラブルを抱えている可能性があります。この記事では、犬が耳を痒がる主な原因と、家庭でできる正しい耳ケア方法・治療薬・日常の注意点まで詳しく解説します。

耳を痒がる主な2つの原因

1. 外部寄生虫(疥癬ダニ・ノミ・マダニ)

耳の外や首元に寄生する外部寄生虫も、強いかゆみを引き起こす原因になります。

特に**疥癬ダニ(ヒゼンダニ)**は皮膚の中に潜り込み、激しいかゆみ・脱毛・赤みを伴い、人間にも感染する可能性があります。

特徴:

  • 耳や耳の後ろ、首元を頻繁に掻く
  • フケや赤み、脱毛
  • ノミのフン(黒い粒)や虫が見えることも
  • 疥癬ダニでは全身症状へ進行することも

対策:

  • 皮膚検査(掻爬検査)
  • イベルメクチンなどの駆虫薬を使用した治療
  • ノミ・ダニ・疥癬用のスポット薬の定期使用
  • ケージや寝具の消毒
  • 感染拡大防止のため接触制限

2. 真菌(マラセチア・白癬)

耳の中の蒸れや汚れが原因で、**マラセチア(酵母菌)や白癬(皮膚糸状菌)**が増殖すると、外耳炎や皮膚トラブルを引き起こします。

特徴:

  • 茶色く脂っぽい耳垢(マラセチア)
  • 赤み、かさぶた、脱毛(白癬)
  • 強い異臭
  • 耳を触られるのを嫌がる

対策:

  • 耳垢検査(顕微鏡・培養)
  • マラセチアにはクロルヘキシジン配合の洗浄液や「耳ピュア」などが有効
  • 真菌全体には「イトラコナゾール」などの抗真菌薬を投与
  • 耳の通気性を確保するケア

耳が垂れやすい犬種は特に注意!

耳が垂れている犬種は、耳の中に湿気がこもりやすく、雑菌や真菌が繁殖しやすい傾向があります。以下の犬種は、特にこまめな耳ケアが必要です。

垂れ耳の代表犬種:

  • トイプードル
  • マルチーズ
  • マルプー(マルチーズ×プードル)
  • ミックス犬(垂れ耳)
  • スタンダードプードル
  • ゴールデンドゥードゥル

耳のかゆみ予防のために:日常ケアのポイント

● 耳の中の毛を抜く

耳毛は湿気をこもらせ、雑菌やダニの温床に。2週間に1回を目安に、耳かんしでやさしく処理しましょう。

※「犬 かんし 耳」でAmazonなどから購入可能。つまんでゆっくり引けば毛か皮膚か判断できます。

● 耳の入り口の毛を短くカット

通気性を確保するため、耳の入り口の毛も短く整えることが大切です。

● シャンプーのすすぎ残しに注意

耳まわりにシャンプーが残ると、刺激となって痒みや炎症の原因に。洗い残しがないよう丁寧にすすぎましょう。

エピオテックを使った正しい耳掃除法

「エピオテック(Epi-Otic)」はAmazonや楽天でも購入可能な動物用耳洗浄液で、抗菌・抗真菌作用があります。

手順:

  1. 耳毛を処理する
  2. エピオテックを片耳に3滴垂らす
  3. 犬がブルブルする前に、すぐ耳の外側を優しく揉む
     → クチュクチュと音がする程度が理想
  4. 汚れが浮いたら、大きめの綿棒でやさしく拭き取る
     → 液体が残らないようしっかり吸い取ることで「ゼロの状態」に

「ゼロの状態」とは?

耳の中を完全に清潔に保った状態=ゼロの状態です。

これは、耳垢・汚れ・耳毛を除去し、薬が直接耳の内側に浸透できる理想的な状態のことです。

この状態を作らずに薬(駆虫薬・抗真菌薬など)を使っても、汚れや毛が邪魔をして効果が出にくくなるため、必ず耳掃除を行ってから治療を始めましょう。

● ケアの頻度目安

  • 通常の健康な子は2週間に1回
  • 慢性的に痒がる子は週に2〜3回のケアをおすすめ

耳の状態に応じたケア頻度が、トラブルの予防と改善の鍵です。

まとめ

子犬の耳トラブルは、正しい知識・丁寧な日常ケア・的確な治療が揃って初めて改善されます。

エピオテックや治療薬を正しく使い、「ゼロの状態」からの治療を徹底することで、再発防止にもつながります。特に耳が垂れた犬種やアレルギー体質の子には、こまめなケアが何より重要です。

マルプリティ公式サイト